staff blog
先日、インテリアブランド「TIME & STYLE」の新作発表会に伺いました。
入口に設えられた特設ショールームの看板が、まず印象的でした。

無駄のない佇まいでありながら、素材そのものの力を引き出した造形。
“控えめな美”という言葉がふさわしいそのデザインは
TIME & STYLEが大切にしている日本的な感性を象徴しているようでした。
光の加減によって微妙に色が変わる黒染めの真鍮は
経年変化もまた美しく、長く寄り添う家具や道具の哲学とも重なります。
会場の中央には、新作ソファーが静かに配置されていました。

脚部には黒染めした真鍮が用いられ、線の細いシルエットながら確かな重みを感じます。
座面は深く、全体のフォルムは低め。
身体を預けた瞬間に包み込まれるような安心感があり、長く座っていたくなる心地よさでした。
座面の生地は、TIME & STYLEが自社でデザインしたオリジナルファブリック。
多くのブランドが海外製のテキスタイルを採用する中で
素材の手触りや表情を自らの手で生み出している点に、このブランドらしさを強く感じます。
柔らかくも奥行きのある質感が、光の角度で微妙に表情を変え、空間に豊かな陰影を生み出していました。
家具、照明、テーブルウェア、タオルに至るまで。
TIME & STYLEは、生活のあらゆる道具をデザインし、日本の伝統技術を現代の暮らしへと進化させています。
それは単なる“プロダクトの美しさ”ではなく、“日々の時間の美しさ”をデザインする姿勢。
その思想に、住まいづくりに携わる者として深く共感しました。
日常に、本物の質感を。
改めてその意味を感じる時間となりました。

prev.
秋に空気を整える。
2025.10.21
