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設計の仕事をしていると、
一日の大半は図面と向き合って過ごします。
線を引き、寸法を決め、納まりを考える。
客観的には、とても無機質な作業かもしれません。
けれど私の頭の中では、
その線の向こう側で人が動き、季節が巡り、
朝の光が差し込み、夜に灯りがともっています。
「この窓の高さなら、ソファに座ったときに庭がきれいに見えるな」
「ここは少し天井を抑えたほうが、奥の空間が引き立つかもしれない」
そんなことを考えながら、
ひとつひとつの線を引いています。
打ち合わせの場で、
私が少し黙り込むことがあります。
決して迷っているわけではなく、
頭の中でそのご家族の暮らしを、そっと歩いている時間です。
この家で、どんな一日を過ごされるのか。
どんな瞬間が、心地よく記憶に残るのか。
設計は、答えを急がない仕事だと思っています。
時間をかけて考えたことは、
不思議と、住み始めてからも長く効いてくるものです。
完成した家は、ひとつの「形」ではありますが、
本当の意味で完成するのは、
そこで暮らしが始まってから。
そう思いながら、
今日もまた、静かに線を引いています。

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