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景色を、隠し味に。

2026.02.24

先日、設計委託を終えたK様と共に、いくつもの土地を巡りました。

ようやく辿り着いたのは、蒲郡市竹谷町。

そこは、市街化調整区域特有の、時間が止まったような静寂に包まれた場所でした。

目の前には整然と並ぶ田畑、その先には柔らかな稜線を描く山々。

この開放感は、都市部では決して手に入らない、何よりの贅沢です。

 

今回の敷地調査で私が確信したのは、「この景色をどう切り取るか」が、K様邸のすべてを決めるということです。

 

幸いにもここは、将来にわたって高い建物が建つ可能性が極めて低いエリア。

つまり、今ここにある「抜け」は、この先もずっとK様ご家族のプライベートな借景であり続けます。

 

特にこだわっていきたいのは、お料理好きのご主人のためのキッチン。

単に機能的な場所にするのではなく、包丁を握る手元からふと目を上げたとき、季節ごとに色を変える山景が目に飛び込んでくる。

そんな、五感を刺激する特等席を目指しています。

 

物理的な壁で仕切るのではなく、視線の抜けによって空間の広がりを定義する。

自然の移ろいを、まるでキッチンの一皿に添えるスパイスのように感じられる住まい。

 

いよいよ、本格的なプランニングが始まります。

竹谷町の風と光を、どう邸宅の中へ招き入れるか。

私の筆も、心地よい緊張感とともに走り出しそうです。