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静かな海と、思考の余白

2025.11.28

先日の休日、静岡県の同笠海岸に行ってきました。

砂浜に立つと、目の前に広がるのは水平線だけで

波の音と風の音しか聞こえません。

建物の気配もなく、静寂だけがじわっと広がる景色に

なんだかふっと肩の力が抜けました。

海岸を歩きながら、砂の感触や潮の香りを感じていると

頭の中でぐるぐるしていた考えごとが自然に消えていくような気がします。

建築の世界は、一つひとつ積み重ねてつくるものですよね。

素材やデザイン、間取りのすべてを計算して、美しさや安心感を作り上げていく。

でもこの海は、何も積み重ねていません。

あるがままのゼロの風景なのに、それだけで心が満たされる。なんだか不思議です。

立ち止まって水平線を眺めていると

自分の呼吸と波のリズムが自然と合ってくるのを感じました。

こういう何もない時間や空間が

日常のバタバタの中では意外と大切なんだな、と改めて思います。

建築は積み重ねの美しさで暮らしを豊かにしてくれますが

海のゼロの景色は、逆に心に余白をくれて、肩の力を抜かせてくれる。

あの静かな海を思い出すたび、ちょっとだけ立ち止まって、ゆっくり深呼吸したくなります。