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staff blog

図面の向こう側に、暮らしがある

2026.01.16

設計の仕事をしていると、
一日の大半は図面と向き合って過ごします。

線を引き、寸法を決め、納まりを考える。
客観的には、とても無機質な作業かもしれません。

けれど私の頭の中では、
その線の向こう側で人が動き、季節が巡り、
朝の光が差し込み、夜に灯りがともっています。

「この窓の高さなら、ソファに座ったときに庭がきれいに見えるな」
「ここは少し天井を抑えたほうが、奥の空間が引き立つかもしれない」

そんなことを考えながら、
ひとつひとつの線を引いています。

打ち合わせの場で、
私が少し黙り込むことがあります。

決して迷っているわけではなく、
頭の中でそのご家族の暮らしを、そっと歩いている時間です。

この家で、どんな一日を過ごされるのか。
どんな瞬間が、心地よく記憶に残るのか。

設計は、答えを急がない仕事だと思っています。
時間をかけて考えたことは、
不思議と、住み始めてからも長く効いてくるものです。

完成した家は、ひとつの「形」ではありますが、
本当の意味で完成するのは、
そこで暮らしが始まってから。

そう思いながら、
今日もまた、静かに線を引いています。