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imaizumi blog

構造がつくる、美の秩序

2026.02.11

構造がつくる、美の秩序

――プロソミュージアム・リサーチセンター 建築訪問記

設計:隈研吾

 

「木格子」構造から考える思想

愛知県春日井市に建つプロソミュージアム・リサーチセンター。
この建築を前にして、まず感じるのは“圧倒的な密度”です。

外観を覆う無数の木格子。
一見すると繊細で軽やかですが、決して「飾り」ではありません。

ここにあるのは、構造・環境・空間を同時に成立させる、極めて高度なシステムです。

美しさは、後から足されたものではなく最初から、構造の中に組み込まれているモノ。

それが、この建築の本質なのです。

 

隈研吾氏の建築には、一貫した思想があります。

それは、「素材を使う」のではなく、「素材と対話する」こと。

この建築において、木は単なる仕上材ではないと思います。

・荷重を分散する構造体
・日射と熱を制御する環境装置
・視線を整えるフィルター
・空間のリズムをつくる骨格

すべてを同時に担っています。つまりここでは、構造そのものがデザインであると思います。

 

 

 

 

この建築思想は、私たちが追求するSE構法とも深く重なると思っていて

SE構法の本質は、大断面構造によって生まれる圧倒的な耐震性と自由度。

地震に耐えうる、 可変性に優れている、耐久性に優れている、価値が落ちにくい。

これらを、すべて“構造”で成立させる。そして、その合理性を「そのまま美に変える」。

ここに、本物の住宅設計があります。

 

 

 

 

高級住宅と「高価な住宅」は違うと私は思っていて、

富裕層住宅の世界では、しばしば「価格=価値」と誤解されがちですが、本質は違います。

本当の高級住宅とは、
①設計密度が高い
②無駄がない
③理由のある形をしている
④時間に耐える

こうした条件を満たした建築だけが、“資産”として残っていくのです。

この研究施設は、まさにその完成形の一つではないでしょうか。

 

建築は「未来への設計」であってこの建築を見て改めて思いました。

建築とは、今日を美しくするためのものではなく、

10年後、30年後、50年後も誇れるための、
「未来への投資」だということ。

木格子の一つひとつに込められた思想は、そのまま、長寿命住宅の理想像につながっていると思います。

 

kotoriが目指す住まいと、この建築の共通点がここにあると感じました

私たちkotoriが大切にしているのも、同じ思想です。

・構造から考える
・性能を隠さない
・合理を美に変える
・資産として残す

「自然とともに深まる住まい」とは、見た目だけの話ではありません。

時間とともに価値を増すこと。それこそが、本当の豊かさだと思っています。

 

 

 

プロソミュージアム・リサーチセンターは、単なる研究施設ではありません。

それは、これからの高級住宅の“教科書”のような建築でした。

強さ、美しさ、環境性能、資産価値

すべてを構造から成立させる。

「美しい家が欲しい」ではなく、「意味のある家を持つ」時代へ。

この建築は、その答えを、静かに示してくれています。