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先日、「国際芸術祭あいち2025」の会場のひとつである愛知芸術文化センターを訪れました。
地下鉄を上がり、街のざわめきから一歩建物の中へ足を踏み入れると
空気がすっと変わるのを感じます。
大理石の床に反射する光、天井から降り注ぐ柔らかな明るさ。
建築そのものが一つのアートのようで、訪れるたびに新鮮な感覚を覚えます。

展示室に足を進めると、世界各地から集まったアーティストたちの作品が静かに佇んでいました。
映像、音、インスタレーション、絵画――それぞれがまるで別の言語を話しているようでいて、不思議とどこかでつながっている。
作品の前で立ち止まり、ただ「感じる」時間。解釈ではなく、心の中に浮かんだ小さな揺らぎをそのまま受け取る。
そんな時間が心地よく、日常の中で置き去りにしていた感覚が少しずつ蘇ってくるようでした。




愛知芸術文化センターという空間は、展示を包み込む「器」としてもとても魅力的です。
吹き抜けのホールを満たす光や、階段越しに見える人々の動き、素材の質感。
建築が人の感情を静かに導く力を、あらためて感じました。

私自身、住まいを設計する立場として「空間が人に語りかける」という感覚をいつも大切にしていますが、この日ほどそれを実感したことはありません。
今回はフリーパスを購入したので、会期中に愛知県陶磁美術館や瀬戸市のまちなか会場にも足を運ぶつもりです。
土と火が生む造形の美しさや、まちの風景に溶け込むアートとの出会いを想像すると、今から楽しみでなりません。
芸術祭を巡るというのは、作品を見る行為であると同時に、自分の感性を少しずつ磨いていく旅のようにも思えます。
建築や暮らしのデザインにも通じる「余白」や「間」の美しさ。
それを改めて感じるひとときでした。
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								天井を見上げる時間2025.10.17 
 

 
									