imaizumi blog
SANU Ichinomiyaを訪れて
設計思想としての接続 ― 構造と環境を、隠さないという選択

SANU Ichinomiyaを体験して強く感じたのは、
建築が「形」ではなく、構造と環境への姿勢そのもので語られているという点です。
これは、私が長らく採用している SE構法 や 木繊維断熱 の思想とも重なる。
構造を合理的に組み上げ、長寿命化を前提とすること。

断熱を数値ではなく、室内の空気感や静けさとして体感させること。
見えない性能を、誠実に積み重ねる。
派手さではなく、時間に耐える価値を選ぶ。
SANUが提示する「所有しない贅沢」は、
住まいにおいてもまた、過剰を持たず、本質だけを残す設計へと通じている。
Puddleの建築は、常に「声が小さい」。
だが、それは意図的であり、声高にデザインを語らず、
使われることで完成する余白を残す。
SANU Ichinomiyaもまた、滞在者の振る舞いによって完成する建築であると思います。
設計者がすべてを決めすぎない。その潔さが、この建築を長く生かす。

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